宮崎旅行1

2019/01/23

 

 

 別府は今日も素晴らしい快晴である。

 

別にお金がないからという訳ではないのだが、もう飽きてしまって、テレビは買ってない。

 

すこし心寂しいから、小さいポケットラジオを買って、それを聞いて世間の様子を想像している。

 

だから、今現在、北陸や東北や北海道がかなりの悪天候に悩まされているのを知っている。別府の今日のような好天気はあちらでは望めないのだ。有り難いことだ。

 

この間から出かける先はないかな、と考えて、豊後竹田とか、日田―皿山とかいろいろ調べたけれども、費用対効果が期待できないので、動かずにいた。しかし、今日のような日差しの強い日が続くと、どこかへ行きたくなる。

 

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 それで思いついたのが、宮崎だ。宮崎まで行けば、宮崎交通の観光バスがある。それに乗れば一人でも手軽に観光ができる、と考えて早速に調べ始めた。

 

 驚きましたね。まずホテル。1月はまだ大丈夫なのだけれど、23月になると、ホテルが取れなくなるのですね。取れないというのではないけれど、ホテル代が1月のホテル代の3倍ないし4倍に跳ね上がるのです。ビジネスホテルで平生が5千円のところ、2月は2万円になるのです。

 

 多分東京からの観光団体客でいっぱいになるのでしょう。

 

                     画像:biglobe旅行

 

 

 宮崎交通の観光バスは土日しか営業していないのだけれども、上の地図の観光地の大部分を見せてくれるのだ。

 

 えーっと、それから宮崎県のほかの観光地というと、高千穂峡、天安河原、また西都市の西都原古墳群なんだけど、足の便が悪い。観光バスも走っていない。綾の照葉大吊橋も足がないから無理ですね。つまり、運転免許なしの年金生活者にとって、宮崎県には見るところが青島海岸をのぞいてはまったくない、という結論になる。

 

 そこで青島行の観光バスをしらべたら、これも具合が悪いですね。朝8時に宮崎駅を出発した観光バスは宮崎駅に帰ってくるのが、夕方5時半で、この観光バスに乗ろうと思ったら、宮崎で二泊する以外に方法がない。

 

 宮崎観光というのは、行きも帰りも空振りで、アパホテルだけが儲かるシステムになっている。

 

 そこで私は考えた。私は旧帝国大学の工業化学科の修士様なのだ。こんなことで参ってたまるかい。

 

そうだ、ベンベルグがある。

 

画像J.P.Bemberg, Wuppertal 

 

 

 これこそ日本の国に二つとない世界の宝である。場所は延岡市。延岡駅の南3kmのところにベンベルグ工場がある。

 

 J.P.Bembergについては英語版でWikipedia紹介記事がある。

 

 画像:GoogleMap,2019

 

 

 ドイツ、ノルトラインウェストファーレン州、ヴッパータール市の駅付近の地図を拡大すると、上の図になるが、駅の東北200mのところにBembergstr.(ベンベルグ通り)というのがある。(赤矢印)

 

 延岡市にある旭化成の人造絹糸ベンベルグは昔Bembergstr.にあったベンベルグ社が発明したアンモニア硫酸銅溶液を用いる人造絹糸で、現在では世界にただ一社、旭化成延岡工場で生産されているだけなのだ。簡単に言えば、天然セルロースを特殊溶剤で溶かし、その液体から紡糸して、あとで、溶剤を蒸発させるのだ。

 

 なにが素晴らしいかって? これは天然物なのだ。ナイロンとかポリエステルとか違って、合成繊維ではないから、あたかも木綿、麻、絹のように環境に悪影響を及ぼさない天然繊維なのだ。この天然繊維をあたかも合成繊維のように人工的に紡糸するところが面白い。J.P.Bemberg社から技術導入した会社がいまやすべて生産をやめて、世界で旭化成だけが生産を継続しているのが面白い。俗にいう「人絹」は同じ製法なのだが、溶剤に猛毒の二硫化炭素を使うから日本の人絹工場も生産をやめてしまっている。

 

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 その貴重なベンベルグ工場を旭化成はあっけらかんと公開し、工場見学させてくれている。事前に工場見学の申請をしなければならないのだが、旭化成の担当のお嬢さんが申請の手伝いをしてくださるから楽しい。

 

 

 

 こういうことで世界にたった一つのベンベルグ工場見学を日南観光と組み合わせることができました。127日に宮崎交通、28日に旭化成さんのお世話になることが決定しました。

 

 

 

 詳細は後刻報告させていただきます。