河豚と海豚

2020/06/12

 

 

 下関駅からバスに乗って唐戸市場までやってきた私だが、訪ねてきた時間が遅かった所為か、市場にはお客もほとんどおらず、拍子抜けした気持ちで赤間神宮の方角へ海沿いにぶらぶら歩いていった。そこで出くわしたのが「ふくの袋競り」彫刻である。

 

 そういえば、下関はフグの日本一の生産地であることを思い出した。前に山口市の旅館「松田家」の特別室で食したのも「ふく」であった。

 

 

 彫刻案内板には「馬関のふくのフクロ競り」と書いてある。

 

 しかし、唐戸市場にはフクの影も形もなかった。そこで下関駅の観光案内所で渡された厚いパンフレットを細かく調べてみたら、あった、あった。10ページ「彦島」のなかにあった。

 

 画像:下関観光ガイドブック 下関市観光政策課 P10

 

 

 なんと驚くなかれ、「ふく競り」は午前3時半から彦島の南風泊はえどまり市場で行われ、しかも「競り」に参加できるのはライセンスを与えられた業者22社に限られ、「余所者はお断り」という排除色の強い袋セリ市場なのであった。

 

 つまり観光客の我々は立ち入りが禁止されているのです。では、グーグルで空から見物することにしましょう。

 

 画像:GoogleMap, 2020

 

 

 南風泊(はえどまり)とはなにかというと、下関で南風はえ)の強い日は海が荒れて松前船は下関海峡を通過することができない。そこで海峡の出口の港で風待ちをする。そのための待機港を「南風泊港」と名付けたらしいのだ。

 

 更に拡大してみよう。

 

 画像:GoogleMap, 2020

 

 

 上の写真で南風泊漁港と書かれた港には、沢山の生け簀を観察することができます。

  

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 トラふく、真ふく、ゴマふく、シマふく、シロサバふくなどを競りにかけるのが隣接する南風泊(はえどまり)市場です。

 

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 これでお分かりいただけましたでしょうか。この市場は立ち入りが厳重に規制された市場で、私たち観光客には門が閉ざされています。

 

 でも、「南風泊市場がふぐの流通拠点となった3つの理由」をふるさと産直村ホームページが懇切丁寧に教えてくれます。ご参照ください。

 

 

 

 ところで、「ふく」は海に住むのに、なぜか河豚と書きますが、下関には河豚のほかに海に住む海豚もいるのです。ついでに調べておきましょう。