月山・湯殿山 2

2022/09/27

 

 バスで到着したのが湯殿山参籠所。大きな鳥居が私たちを迎えてくれます。

 

 

 左手の参籠所へ入って昼食を頂きました。

 

 

 質素な山菜料理でした。

 

 

 食事後、私たちは別の有料バスに乗って、僅か7分程度山を登り、湯殿山本宮に参拝しました。湯殿山本宮の御神体は幽界なので、参拝した後で話すこともなりません。写真撮影も厳禁です。

 

出羽三山とは、月山・羽黒山・湯殿山の総称である。開祖である蜂子皇子の御徳を慕い、加賀白山を開いた泰澄たいちょう大師や、修験道の祖と言われる役行者えんのぎょうじゃ、また真言宗の開祖 弘法大師こうぼうだいし、天台宗の開祖 伝教大師でんぎょうだいしとその弟子慈覚大師じかくだいしなども来山して修行をしたとも伝えられている。こうして皇子修行の道は次第に発展して羽黒派修験道となり、全国に名を知られ時代を重ね人々の厚い信仰を集めることとなった。

 

湯殿山は605年の御開山とされ出羽三山の総奥の院として特に厚い信仰を集めてきた。江戸時代までは真言宗として奉仕してきたが、明治維新に際して神仏分離しんぶつぶんり(廃仏毀釈はいぶつきしゃく)が発令され、古への神奈備山かんなびやまにかえり神社として奉仕している。

 

出羽三山信仰は“三関三度さんかんさんど”や“擬死再生ぎしさいせい”など生まれ変わりの信仰が今もなお息づいている。羽黒山で現世利益の御神徳により月山の大神の下で死後の体験をし、慈悲深い湯殿の大神より、新しい命を賜って再生すると考えられる。

(引用:湯殿山神社 本宮 – みちしるべ (syonai-michisirube.com)

 

 芭蕉も元禄2年(168967日(新暦723日)、芭蕉と曽良は湯殿山に登山した。

 

「奥の細道」によると「谷の傍に鍛冶小屋と云有。此国の鍛冶、霊水を撰て、爰に潔斎して剣を打、終月山と銘を切て世に賞せらる。彼竜泉に剣を淬とかや。干将・莫耶のむかしをしたふ。道に堪能の執あさからぬ事しられたり。岩に腰かけてしばしやすらふほど、三尺ばかりなる桜の、つぼみ半ばひらけるあり。ふり積雪の下に埋て、春を忘れぬ遅ざくらの花の心わりなし。炎天の梅花、爰にかほるがごとし。行尊僧正の歌の哀も爰に思ひ出て、猶まさりて覚ゆ。惣而此山中の微細、行者の法式として他言する事を禁ず。仍て筆をとヾめて記さず。坊に帰れば、阿闍梨の需に依て、三山順礼の句々、短冊に書。」りあります。ここで一句・・・

 

 語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな

 

 

 

湯殿山は出羽三山の中では奥之院として位置付けられ、羽黒山、月山で修行又は、参拝した後、最後に行き着く霊地とされます。その為、その霊地は絶対に神聖な場所である必要性から「語る無かれ、聞く無かれ」との戒律が守られ、霊地を見た人は絶対にその姿を他人に言ってはいけない。見てない人は絶対に他人から聞いてはいけない。と決められていました。現代的な考えでは、そこまで言われれば1度は行って見たくなる為のコピーライターの広告宣伝のようにも聞こえますが、信仰心の篤かった当時の人々にとっては大変有難いものでした。「語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな」の句の意味は、松尾芭蕉も、他人に語る事が出来ない程の、有難い聖地を見る事が出来て、涙が出る位の感動を覚えたと率直な感想を表現していると思われます。穿った見方をすれば。本当は言っていけない事ですが、実は湯殿(湯殿山の御神体)は濡れているんです。

 

 

(引用:松尾芭蕉の奥の細道の足跡・出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山) (dewatabi.com)

 

 私の今回の旅は、実はここにくるのが目的だったのです。なぜか知りませんが、出羽三山のうち病気平癒の祈願を行えるのはここ湯殿山だけなのです。そういうことで、私はグループの全員が立ち去ったあとで、ご神体横の社務所で多額の初穂料を納め、しっかりとお祓いをしていただきました。湯殿の真横でのお祓いは神聖な作法に基いていましたから、私は安心いたしました。湯殿山は生まれ変わりの神社ですから、私の妻はこれから第二の人生を歩むことになるのです。

 

 御神札は宮司にお願いをして東京の家宛宅配便で送っていただくことにしました。無事終了です。目出度し目出度し。

 

 

 帰りは次のバスを待ってもよかったのですが、時間があることから徒歩で足早に下山しました。

 

 

 本宮入り口。此処以降は撮影禁止。

 

 

 湯殿山御神牛(湯殿山神社本宮)

 

 

姥権現(湯殿山神社本宮末社)です。

 

 

 御沢橋です。

 

 

 米沢駅へ到着しました。米沢駅の名物弁当はもちろん米沢牛のお弁当です。駅構内で売り切れだったので、駅前の製造元「新杵屋」へ買いに行きました。牛肉どまん中。美味しかったですよ!!!

 

 

ギッシリときれいに、牛肉が敷き詰められています。

 

包装を開けると、隙間なくたっぷりと敷き詰められた牛肉が現れます。牛肉の煮付けは、薄切りタイプとそぼろの2種類。甘じょっぱい香りが、食欲をそそりますね!

 

 

薄切り肉からは、コクの深い醤油ベースのタレの味が広がります。噛んでいくと牛肉から甘い脂が溶け出し、どんどん旨味が増していきます。ご飯にも、タレがしっかりと染み込んでいるので、より一層おいしさを高めてくれます。一方のそぼろは、薄切り肉よりも食感は噛みごたえがあり、強くタレの味を感じる印象です。ご飯はもちろん、お酒との相性もよさそう。

 

 

 ようやく念願かなった山形県の観光でした。大いに満足しました。

 

 では皆さま、御機嫌よう。