Hotel Bergsonne

2021/02/10

 

 

 これは今から35年前、19868月に撮った写真である。場所はスイスのリギ・カルトバード。右側の男がかぶっているのは、チーズ鍋である。このあたりの山には沢山の牛が飼われていて、日中は首につけた鈴をガランガランと音をたてて歩き回っている。

 

 

牧場主は早朝に乳を搾り、ミルクを採る。大部分のミルクは朝の一番(登山)電車に乗せてふもとのミルク工場に運搬するが、一定量のミルクはチーズ製造のために山の家に残す。この巨大な鉄鍋はチーズ製造用の鍋だ。ひどく重くて私たちには持ち上げることもできないが、山男たちは力が強いから、このように帽子替わりにかぶってフェスティバルに出てくるのだ。あきれたような顔で映っているのは、私の息子(当時13歳、慶応普通部)と私の娘(当時10歳、山王小学校)だ。

 この日のことはリギ・フェスティバルSommerfest Rigi-Kaltbad (lcv.ne.jp)に詳しく説明してある。

 リギ・カルトバードについては、Rigi (lcv.ne.jp)で詳しく説明してある。

 

 私たちはドイツに滞在中は夏休み・冬休みはこのリギ・カルトバードのHotel Bergsonneですごした。

 

画像:Hotel Bergsonne, Rigi-Kaltbadの庭。帽子を被っているのが私の姉富貴子だ。

 

 Hotel Bergsonneは、規模は小さいが、このKaltbadでもっとも歴史のあるホテルで、その提供する食事はKaltbadでもっとも美味しかった。

 最近の英国の旅行案内書DK Eyewitness Travel Guideにもこういう記載がある。

 

 

 

 

 ところがところがである。この由緒あるベルクゾンネがコロナの影響を受けて潰れてしまった。コロナの影響(ロックダウン)で観光客がゼロになってしまい、どうにもこうにも立ち行かなくなったらしい。詳しくは最近のBergsonneのページHotel Bergsonne - Rigi Kaltbad, Switzerlandをよめば事情がわかる。

 

 

 日本ではGo to Travelという企画があったが、スイスではコロナによる外出制限ですべてのホテルが「空」になった。

 スイスは観光業と銀行業で飯を食っていた国だから、人が一人もこなくなったら、そりゃ困るよね。これでファミリー経営のホテルは命脈が絶たれたと思ってよい。これからのスイスのホテル業はチューリッヒの銀行の後ろ盾がなければやって行かれない、というのが大方の見方のようだ。