別府のお正月

2021/01/08

 

 私は別府で引退生活を送っている。いろいろと経緯があって、別府はその温泉の効能の故に、私はその虜になって別府に住むことになった。別に一軒家を構えているわけではなく、ワン・ルーム・マンションを借りている。ホテル白菊の前という便利な立地の所為か、若い女の子が多く住むマンションだ。年寄りでこのマンションに住むのはどうやら私だけのようだ。

 

 だから、正月といっても、門松を立てるわけでもなく、正月の飾りを玄関に飾るわけでもない。正月とは無縁の、正月などは必要のない私なのだ。テレビを持たないし、見る気もないから、年末の紅白歌合戦にも無関係で、若い人たちからは「哀れなじじい」という風に見えることだろう。

 

 だから、新年のお祝いとは全く無関係なのだが、毎日朝の散歩はかかさないから、歳の初めという印はいやでも目に入ってくる。上の写真は、観海寺から霊泉寺バス停に降りてくる坂道で見かけた、一軒の家の戸口に飾られている植木鉢の花に添えられた賀詞である。この家はいつも散歩のときに通り過ぎる家なのだが、ご主人が花好きなのであろう。いつもみごとに美しい植栽で飾られている。

 

 

 

 この家は、門口に地蔵様が祀られてあって、生け花が供えられていて、美しい。この御堂にも賀詞が添えられている。そう言われてよく見ると、この御堂の横の格子には美しい弧を描く空間が作られていて、このお家の設計者の美的センスが十分窺われる。

 

 

 この立派なお屋敷からしばらく小川沿いに下ってきた道の脇にも地蔵様がまつられている。ここにもお花が手向けられている。私が辿ってきた道は生目神社から霊泉寺へと続く古道だから、このような仏像が生き残っているのだろう。

 

 

 こういう風情は東京では見られない風情だ。別府の街はこうした古道をたどることにより、別府が仏教色に色濃く飾られている仏教町であることがわかる。

 

 

 この古道の終点である霊泉寺の境内も、寺だから勿論のことだが、仏像だらけだ。背後に神社の祠があることから、この霊泉寺は、神仏習合スタイルが、いまだに残っていることが分かる。明治新政府による神仏分離令神仏分離 - Wikipediaを無視した古寺ということらしい。

 

 

 現在は別府の地獄といえば、鉄輪の海地獄を筆頭とする鉄輪地区を指すが、昔はこの鶴見地獄が「別府の地獄」なのであった。明治時代には、浜脇と北浜で繁盛していた温泉街に来た観光客は、この霊泉寺にお詣りに来たことがありありと窺える。

 

 

 話は変わるが、昨日は17日であったので、料亭「はた野」に電話をして三月末の昼食予約を行ったが、不成功だった。料亭「はた野」はミシュランで二つ星の超有名レストランで、予約は三か月前の初日に電話をいれなければならない。三月中の予約は1月でその初日といえば、11日なのであるが、正月だから、7日を予約初日としているのだ。午前8:30に電話を入れろと教えられていたのを昼過ぎに電話をしたら、遅すぎた。ついでにおかみのはたの久美さんと話をしたら、

 

1.       別府で「はた野」と比較できる和食料理屋はありません。

2.       洋食なら、多分(お客さんのお話を伺う限りでは)別府でもっとも美味しいレストランは、(イタリアンですが)La Fonteだろうと思います。

3.       La FonteBenefit for Youという名前のホテルのなかにあって、女性客に人気のホテルのようですよ。

 

 

というコメントだった。こういう貴重なお話を聞くことができて、久美さんには感謝感謝。

 

 

 ここは元々原爆症患者のための病院があった場所で、これを取り壊してBenefit For Youというホテルができた。その一角にLa Fonteがある。Fonteというのはイタリア語女性名詞で、「水源」とか、「源泉」とかいう意味だから、自噴の温泉に囲まれている地形からすると、まさにぴったりの名前だ。

 

 

参考:気になるお店 La fonte フォンテ | 別府の温泉エステ 小顔プリンセス オーナーよしこのblog (ameblo.jp)

 

 

 前に一度このレストランのご主人にご挨拶したことがあるが、一人では入り辛いので、まだ食事をしていない。3月に孫が別府に来るから、ここでご接待しようか、と考えている。

 

 そういえば、杉乃井ホテルの本館の一階にもAzzurriというイタリアンレストランがある。(参考別府のランチは落合務シェフプロデュースのイタリアンを|別府温泉 杉乃井ホテル[公式サイト] (suginoi-hotel.com)) ここもわたしは同じ理由で行っていない。恥ずかしいことだが、いつもの散歩では、このレストランの前を通り過ぎてセブン・イレブンに行き、森永のチョコモナカ・ジャンボを一個買って、丘の登山の癒しとしている。今年はだれか友達をつくり、Azzurriで食事をしてみたい。ただ気の合う人がほとんどいないからなあ、見込み薄だ。

 

 

azzurroはイタリア語形容詞で、意味は「青い」。Costa Azzurraとはコートダジュールを意味する。青い海岸という意味ですね。azzurriは、複数形。

 

Ristorante Azzurriの道の反対側に鎮座する地獄蒸し釜の説明書

 

 さて、今年はどういうテーマで散歩するか考えているのだが、わたしが心惹かれるのは、路邊の石仏だ。

 

宗像掃部(むなかたかもん)本陣跡の石仏

 

海雲寺の石仏

 

別府市美術館に集められた石塔

 

観海寺道の石仏

 

 これら石仏の一つ一つを見て歩くと、江戸時代の別府の有様が彷彿としてくる。愛おしい。これらの石仏をムービーで撮り、YouTubeuploadしてみようか。これを本年の目標としようかなあ。ただの観光客には見えない古き良き別府が見えてくることだろう。タイトルは「別府の古仏」としたらどうだろうか。別府における研究家の第一人者はどうやら入江秀利さんらしい。一度市役所に行って調べてみよう。

 

 

 では皆さま、ご機嫌よう。本年が皆さまにとって良き年であるよう、お祈りいたします。