芝居の湯故障(2)

2021/03/16

 数日前に、自衛隊前バス停から観海寺を経て野口原の芝居の湯まで散歩したのだが、途中で雨に降られ、ずぶ濡れになって芝居の湯に到着したら、引き湯している堀田温泉からのパイプに事故があって、16日まで臨時休業だというのだ。惨めな思いをして家までひきかえしたのですが、

 

 

 ここしばらくは、温泉は芝居の湯に一本化していたので、芝居の湯が臨時休業ということになると、代替の湯がなかなか思いつかない。湯というのは慣れてしまえば、自分の好みに合うためのいろいろの条件ができてしまう。湯の肌触り、浴室の雰囲気、浴客のもつ雰囲気、浴場周辺の立地までも気になるもので、さあどうぞ次の湯へと命令されても、すぐには反射神経が反応しない。

 

 

 私の好みからいえば、「周りに自然があり、静かで」ということになると、別府の街中の街区温泉は大概格落ちとなる。格落ちのちびた温泉には「自治会員以外の人の入浴お断り。違反者は罰金一万円」などという恐ろしい文言が書きつけてある温泉もあるから、手がだせないという理由もある。

 

 

 だから今朝は、条件に合う照湯と思い定めて、41番のサファリ行のバスに乗ってきた。照湯という停車場で降車すれば、照湯はバス停から目と鼻の先だし、照湯は土地の人以外はめったに外来の客はこない。周りは自然がいっぱいで、昔は森藩の飛び地であったという故事も好ましい。江戸時代、別府は幕府の直轄地であったので、豊後森の久留島家は参勤交代のためにこの土地(鶴見)に飛び地を設けた。詳しくは森藩 - Wikipediaを参照せよ。

 

 

 温泉の入り口には森藩飛び地だった頃からの遺物であると思われる閻魔様が鎮座ましましている。閻魔様は地蔵菩薩の化身で、現世と冥界の境に立って、死者の生前の罪を裁く神。好ましいったら限りがない。閻魔様の脇には古い仏像が飾られ、花が供えられているところまで私の趣味に合っている。右上に続く階段は閻魔坂だ。

 

 

 入浴を終わり、ああさっぱりした、といって照湯を去り、帰ろうとすれば、どうしても照湯バス停経由ではなく、坂道を下って鶴見の温泉街経由となる。少し坂を下ると、11号線に出る。11号線を渡って豊山荘の前を通ってさらに坂を下ると、小倉薬師温泉「丘の湯」通称“原爆温泉”を経て春木川の橋にでる。

 

 

 原爆温泉の下手の三叉路に地蔵様を見つけました。奥の建物がBenefit for Youである。近寄って詳しく観察すると、

 

 

 手に持つのは宝珠、胸の飾りは瓔珞、頭を剃り、額に白毫があるから地蔵様に間違いありません。(地蔵菩薩 (eonet.ne.jp)) 周りのコンクリートブロックは、後年作られた社だとしても、地蔵様本体はかなり古いようです。

 

 このような古仏は別府に昔から存在した古道にあるのです。地蔵が向いているこの道は市役所通りから原という交差点を経て鶴見に至る、古い古い古道にあるのです。バスは1番と2番が竹ノ内地区をくねくねともがきながら、この道を30分に一本ほど通っています。

 

 この地蔵様からちょっと下ると、右手に白い大きな花びらがいまを盛りに咲いているのが目につきました。

 

 実は照湯を出たときから今日はイタリアンレストラン”La Fonte”で昼食をとろうと決めていたので、その角の建物をみあげると、ほらあった。La Fonteです。