最近の蓼科生活5

2020/08/25

 

 最近YouTubeを見ていて、及川幸久という人のレポートを読むようになった。

 

 最近のレポートの一つは

 

              遂に!中国を米ドル決済システムから追放!

  

というもので、とても興味深い内容であった。

 

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 この人の論説は、アメリカ、イギリス、香港、台湾、中国の英字新聞の記事を読み合わせ、最近の世相の背後にある思想の変化を読み取って解説するもので、日本のマスコミが報道しない類のものであるから、楽しい。最近テレ東がテレビ(あるいはYouTube)で始めた時事解説よりもよほど面白くてためになる。テレ東の時事解説は元ロンドン支局長がしゃしゃり出てきて時事解説をするが、「経験の深さ」「読みの深さ」では及川幸久に及ばない。

 

 そのうえ、毎日精密に各地の新聞を読んでいるようで、話題の新鮮さでも他者に抜きんでている。そういうわけで、YouTube上での時事解説は及川幸久が一番だと感じるようになってきた。

 

 こうなると及川幸久とはいったい何者だ、ということになるが、それは

 

及川局長ロングインタビュー【全編】

 

を参照すればよい。

 

上智大学4年生のときに米国へ留学し、New Yorkのコロンビア大学で1年間「外国人専用の英語コース」にはいった。この大学は外国人に英語を教えるK-Hを持っている大学であり、ここで英語の基礎を習得した、とある。私も若ければ、早速コロンビア大学の「外国人専用の英語コース」に入りたいと思わせる内容だ。

 

 

また、アメリカの投資銀行メリルリンチで修業した経歴と、その結果習得したニューヨーク流の正義感も素晴らしい。日本のジャーナリストが持っていない欧米流の感覚だ。まるで、アメリカのベストセラーを読んでいるような生き生きとした感覚が伝わってくる。

 

 

 ただ問題がある。この人は幸福実現党に所属していて、私たちには幸福実現党がどのような政治団体か分からず、腰が引けてしまう点だ。もう一つ、彼は大川隆法という宗教者に傾倒しているようだが、「幸福の科学」という宗教団体には私たちの馴染みが薄い点もある。

 

 そういえば、彼の論説には彼自身の思い込みが強く、例えばアメリカの大統領選挙報道でも、やたらにトランプ氏の立場に立って依怙贔屓をする。彼は日本人でありながら、アメリカの共和党員なのだ。

 

 

 仮に今度の選挙でトランプ氏が負けたら、君、及川幸久の立場はどうなってしまうのか?と要らぬお節介をしたくなる。まあ、一言でいえば、報道者としての中立の立場に偏向があると考えざるをえない。

 

写真:赤石山脈。左から北岳、仙丈ヶ岳。右が駒ヶ岳。

 

 にもかかわらず、及川幸久には、欧米のジャーナリストの持つ記者魂がある。考えてみれば、欧米の記者という人種は、必ず「自分の主張」がまずあって、その主張に従って論説を造るのだ。その論説が社会に受け入れられない場合には、潔く「首になる」か、「身を引く」のであろう。そういう「潔さ」を私たちは評価しなければならない。