常磐線の旅2 白水阿弥陀堂

 

2018/11/12

 

 画像:白水阿弥陀堂入り口

 

 

 昨日袋田の滝で痛い目に合わせられたが、気を取り直して白水阿弥陀堂に来た。

 

 水戸からの常磐線は鈍行しかなくて、ゆっくりと来た。途中に日立駅があって、その前後は乗客は多かったが、そのあとは嘘のように人影が消えた。昨日は満員状態で立ちんぼうだっただけに、今日は幸福だった。だが、常磐線というのは、妙に人懐っこい雰囲気がない。

 

 写真:湯本駅前の彫刻。背後に足湯が見える。ここは温泉町なのだ。

 

 

 駅前からタクシーを拾って、白水阿弥陀堂まで行く。

 

 画像:GoogleMap, 2018利用。

 

 

1.      白水阿弥陀堂

2. いわき市石炭・化石館

3. いわき湯本温泉

 

 

1.      白水阿弥陀堂

 

 

 この建物は国宝である。

 

画像:白水阿弥陀堂パンフレットから。中央が本尊阿弥陀仏、

向かって右が観音菩薩、左が勢至菩薩。人が亡くなるとき、

この三尊がお迎えに来られる。覚えておいたほうがよさそう。

 

原典は阿弥陀経

 

画像:同寺パンフレットから

 

 

 しばらく神社・仏閣に接していなかったので、この阿弥陀堂には驚いた。まさか東北地方にこのように優美な阿弥陀堂があるとは思わなかった。

 

 

 池泉回遊式のお庭のなかに阿弥陀堂が設えてある、白い石を敷き詰めた浜辺は浄土ヶ浜を見立てたものであろう。

 

 

 堂内は撮影禁止であったが、出口から出て振り返りざまのワン・ショット。平安時代の定朝様式で

とても優雅である。阿弥陀仏の光背を観察しよう。藤原様式の典型である。

 

  

 古木の銀杏はすでに散り始めている。境内は美しく清掃されている。極楽浄土の典型といえるかもしれない。

 

 

 池の周りから眺めると、このお堂の優美さがひときわ映える。

 

 

別に時期を見計らって来たわけではないのですが、紅葉の最盛期にあたってしまったようです。ラッキー。

 2.      いわき市石炭・化石館

  

 タクシーで移動中に見かけた資料館なのですが、屋上に巻き上げ機の滑車のある建物です。場所は湯本駅北方500m、陸前浜街道沿い。

 

 この地域は以前常磐炭鉱の在った地域で、日本経済のエネルギー供給地の一つであった。常磐炭鉱の一番坑口跡がいわき市石炭・化石館になっているわけ。掘り出された石炭は鉄道輸送で約10km離れた小名浜港から船積されていたのでしょう。終戦後の日本人に大変な恩恵を与えてくれた鉱山なのです。

  

   詳しくはWikipedia常磐炭田を参照乞う。また、いわき市石炭・化石館周辺炭鉱地図は次。

 


 

3.      いわき湯本温泉 

 

 

天然温泉極楽湯福島いわき店の場所は湯本駅から南方4kmで、ちょっと離れていて、われわれには不便ですね。

 

 画像:GoogleMap, 2018

 

 湯本駅から直近の湯本温泉公衆浴場は、「湯本駅前 みゆきの湯」ですが、いささかみみっちい公衆浴場です。もともとこの地には湯本温泉があったのですが、常磐炭鉱の開発とともに、温泉は地下炭鉱のなかで湧出するようになり、温泉はポンプで大量に排出されていた。常磐炭鉱の閉山とともに、温泉は必要量だけ汲み上げられるようになり、現在に至っているのだそうです。

 

画像:みゆきの湯。奥の浴槽が42℃、手前の浴槽が44℃。どちらかというと、

炭鉱夫の入る浴場の雰囲気である。温泉は表示温度よりかなり低いと感じた。

 

 

 帰りの汽車は今度も鈍行で水戸市まで。