出羽三山1 蓼科から東京へ

2022/09/24

 本当に久しぶりの旅行だ。夏の間は蓼科で生活するのは不足はないのだが、旅行をするとなると下界はどこも暑すぎる。私の身体がもたない。

 

 九月も20日を過ぎると、台風も来て、やっと涼しくなった。6月からずっと蓼科にいたので、こんな極楽みたいな蓼科でもマンネリになり、飽きてきた。

 

 そこでクラブツーリズムがたくさん提供している旅のなかから出羽三山を選んで924日に出発したというわけだ。

 

 

 私は車を持っていないから、蓼科の家から茅野の駅に降りてくるまでが大変だ。今回は台風14号が無事通り抜けたのだけれど、次の台風15号が近づいてきて、雨がふるのではないかと、随分心配した。雨が降ろうとかまわない。最近モンベルで高級な雨合羽を買ったので、それを着ればよいようなものの、雨のなかを走るのはつらい。だが、今回は線状降水帯の合間を縫って、茅野まで走ることができた。万歳。

 

 

茅野駅の改札口での私。見慣れた茅野駅までが新鮮に映る。

 

 

茅野駅の改札口。窓口が先客でふさがっていたので、事務所にいた駅員が外に出て来て、私のために自動切符売り場で切符の買い方を伝授してくれた。だが私の頭の中にはなにも残っていない。事程左様に世の中の仕掛けは複雑化している。

 

 

 これが茅野駅のプラットホーム。右手に見えるガラス張りの建物は茅野図書館の分館だ。奥に見える緑色の機関車はなにか?

 

 

 さて、私は特急列車あずさに乗り、新宿駅で特快に乗り換えて東京駅に着いた。

 

 

 山王の家まではちかいのだが、今回は家には寄らない。妻は病気で衰えた姿を私には見せたくないらしい。そこで、八重洲口のからくさホテルというのに宿を取った。久しぶりに高島屋に寄って街の様子見物をしようというわけだ。

 

 

 昔懐かしい高島屋。今から50年前、結婚した当時、妻美智子は私とデートしたくてたまらない。会社に電話をかけてくるから、時間を作って高島屋の前で会うことにしたのだが、彼女は素晴らしく美しい洋服で現れた。私は仕事が楽しくてたまらない時代だったので、高島屋で一緒に食事をして、また会社にトンボ帰りをした。懐かしい。その当時の美智子は東京の大金持ちのキンキンピカピカの箱入り娘だったのだ。

 

 

 昔はなかった高島屋の別館。別館の6階が本館の8階と空中廊下でつながっている。

 

 

新館6階の今半へまず行って、一人だけどいいかなあ、と訊ねたところ、長いこと待たされて、予約が多いので、5時なら席を作れます、とのこと。待つわけにもいかないので、残念ながら成立せず。今日のすき焼きの肉は三種類あって、そのうち一つはなんと石川県金沢市のお肉だと書いてあった。そこで本館のほうに空中橋で移動して本館8階に移り、高島屋特別食堂に入った。特別食堂とは帝国ホテルのフレンチ、野田岩、大阪の料亭「大和屋 三玄」が入っているのだそうな。昔と随分違っている。楽しくてたまらない。

 

 

 

特別食堂は4時半の頃で4割くらいはお客が入っている。皆金持ちのようにみえるから、そこらの食い物屋とは客筋がまったく違っている。

 

 

特別食堂、50周年記念メニューというのを注文した。それがこれ。

 

 

ローストビーフ弁当。値段は定価\5,500、税金サービス料込み\6,050。美味しいけれど量的には軽い。老人向きの量だ。コーンスープ美味。鯛の刺身は美味だったが、絶対量が少ない。沢山の給仕が動き回っていて、人件費だらけの定食だった。けれども雰囲気はとても良い。満足。

 

 私はその後、目と鼻の先の丸善へ寄った。いまから30年ほども前だろうか。私はこの本屋で初めての本『純粋経験B』を作ったのだ。

 

 雨も降っていたので、それ以上は歩かずに、からくさホテルに戻り、機器類が新しくてピカピカしているホテルで休んだ。このからくさホテルは極上だ。