2023_11_02 東京

2023_11_02

 11月に入ったから、大分県別府に帰らなければならない、そう思って寒くなった蓼科を離れた。

 

 

 蓼科を離れる、と簡単に言うと楽ちんな行為にみえるが、実際はそう簡単ではない。秋に引き上げるときは、「水抜き」という厳粛な行事をおこなうことが必須なのである。家中の水道管の配置図を頭に入れて、浴室、便所、洗濯機まわり、洗面所、台所、に張り巡らされている水道管、温水管から徹底的に水を抜いていく。温泉管も忘れてはいけない。水抜きに要する時間約30分間、神経を張り詰めてやり残した箇所がないように徹底的に作業を行う。もしここで水を配管の中に残すと、来年の春が大変だ。水の凍結した部分が破裂して、通水と同時に、水が猛烈な勢いで家の中に噴き出すからだ。そして最後に、便器の中に残った水を除水ポンプで吸い取り、残った少量の水に不凍液を加えて、凍らない様に加工する。これで全部だ。

 

 

 私はもう83歳になっている耄碌爺(もうろくじじい)だから、注意力が散漫になっている。だが、これくらいの水抜き作業でへこたれてはいけない。私はこれからの東京での三日間のあいだも、かなりの仕事をこなさなければならないからだ。

 

 

 今年はどういうわけか、もみじの紅葉が早かった。10月末の時点で私の裏庭の山もみじが美しく紅葉してくれた。私の家の裏庭の紅葉は年を追って毎年早くなっている。もう数年たつと、10月末で錦の絨毯となってくれるだろう。

 

 

 蓼科の今年の紅葉については蓼科紅葉20 23 - dousan-kawahara ページ! (jimdofree.com)に記述してある。

 

 

 さて、私は水抜き作業を済ませ、111日朝8時半、原付バイクに乗ってご機嫌よく蓼科の別荘を離れ、茅野市の自転車屋上原モータースに向かった。快晴でなんとも素晴らしい朝だ。

 

 

 私は蓼科を不在にする冬の半年はこの自転車屋にバイクを預けているのだ。原付免許 - dousan-kawahara ページ! (jimdofree.com)

 

 

 店主は私より5歳ほど年下のお爺ちゃん。

 

 ここでバイクを捨てるのであるから、茅野駅までタクシーを拾わなければならないのだが、例によって、自転車屋の奥さんが軽自動車で私を茅野駅まで送ってくださった。

 

 

 ご機嫌よく茅野駅で奥さんと別れてから、気が付いた。「しまった。車のなかにスーツケースを忘れた。」車の後ろ座席に置いたスーツケースを思い出したのだ。これだから齢を取ると困る。いや、齢の所為ではなくて、水抜きの所為だ。水抜きに全精力を使ってしまって、我を忘れてしまったのだ。無くしたスーツケースは奥さんがあとで駅の改札口までもってきてくださったので助かったが、その後、駅のプラットホームにこのスーツケースをまた忘れてしまった。

 

画像: スーツケース

 

私は汽車が出発してから気がついた。仕方がないから、次の駅小淵沢駅で汽車を降り、茅野駅までもどり、彼是3時間ばかり時間をロスしたあとで、やっと特急あずさ30号で新宿に向かって発車することが出来た。13:39発。ほぼ4時間を失ったことになる。やれやれ、齢をとると、何事もスロースローでしか動かないものだねえ。だが齢だから、時間はたっぷりある。心配する必要はなにもないとは言うものの、悔しいねえ。ま、これが水抜き作業の後始末というわけだ。

 

 

動画:https://youtu.be/MyW5Y3zUGuA 列車が小淵沢駅を出発する。

 

 

 甲府駅出発直後の車窓風景

 

動画:https://youtu.be/Fyk0xDDpAso

 

 スーツケースを取り戻してからは、万事順調に進み、私は東京に到着したが、随分時間を失ったので、マイナカードの調整に費やすべき時間がなくなってしまった。(2023_06_14 マイナカード - dousan-kawahara ページ! (jimdofree.com)を参照)

 

 

 今晩の宿は初めての経験だが、大井町の阪急ホテルにした。

 

 

 いままでの大井町駅の風景を知っている私には、まさに革命的な豹変ぶりで、私にはまるで異星人が地球にやってきたという印象だった。

 

 

 アワーズイン阪急26階から見た東京の風景。東京湾が見えている。

 

 

 東京湾のコンテナーターミナルを遠望する。遠くに見えている奇妙な形の橋はなんだろう?東京ゲートブリッジ - Wikipedia 

 

 このホテルは地上三階までに色々の店舗が入っていて、食事にも買い物にも困らない。とても便利だ。それに清潔で非常に安楽だ。泊まり賃は1万円。便利で安い。現代人の感覚になれるところがとても良い。お勧めです。

 

 

 私は翌日朝、蒲田駅にある大田区区役所に出かけ、マイナカードの調整をしてもらった。やはり本庁は専門家が揃っていて、やることが早い。わずか10分ですべてを片付けてくれました。

 

 

 一旦ホテルで休み、11時過ぎにJR大井町のホームで娘と落ちあい、出かけた先は紀尾井町の赤坂維新號本店です。

 

 

 きょうは日本で一番おいしい鱶鰭(ふかひれ)を食べにきたのです。

 

 

 オードブルからしてこの豪華さ。アワビが特別美味しかったですね。

 

 

 金箔が浮いていますが、これなんのスープだと思われますか? 燕の巣のスープです。刺しゅう入りのテーブルクロスが素敵ですね。

 

 

 テーブルセッティングとかカーテンとかとてもとても高級感が溢れています。

 

 

 さていよいよ鱶鰭です。私はこんなにどでかい鱶鰭を見たことがありませんでした。鱶鰭の美味しさは色でわかるのだそうで、この色は最高級品なのだそうです。突合せのお饅頭は娘にさしあげましたが、娘は美味しい美味しいといって、すべてぺろりと召し上がられました。私は齢をとった所為か、少し量が多すぎました。

 

 

 お肉も美味しかったし、デザートも見たこともないような品で、すべてが完璧でした。

 

 

 室内の雰囲気もよいし、銀座の維新號とはくらべものになりません。完璧! 大満足でした。

 

 娘とは原宿の近くの北参道駅で別れました。

 

 私はこの娘が大のお気に入りなのです。頭が良くていつもキリっとしている。私はいつも言っているのですが、彼女が幼稚園児だった頃の一人息子を、「お金を使わずに」慶応に入れてしまったその手並みにいまだに感銘を受けているのです。天才的でした。だから彼女の要求ならなんだって聞いてしまうのです。

 

 

 彼女は生まれつきの運にも恵まれています。彼女の兄は結婚していないから、すべての財産は結局は彼女の懐にすべて流れ込むのです。もうすでに今、社長夫人だし、綺麗だし、言うことなしですね。

 

 

 彼女と別れてから立ち寄った出版社は出来の悪い本屋でしたから、私はすぐにこの本屋に見切りをつけて退散しました。

 

 爺だから早寝早起きで、翌日の朝も6時にはとっくに目が醒めてすることがないから、大井町の辺りを散歩して、それでも時間が余りましたから、スイカを使って、大井町駅に敷設されたりんかい線という地下鉄に乗って新木場駅まで行ってきました。この地下鉄に乗るのは初めての経験です。

 

 

 

午後、羽田空港で昼食をとり、出発時間まで出発ロビーで時間を潰しました。御覧のように飛行場ロビーはどこもかもピッカピカ。

 

 

 飛行機は夕暮れに大分空港に無事到着しました。

 

 動画:https://youtu.be/Fwhm5_KE2GI 

 いつもは新幹線で別府に帰るのですが、今回は飛行機にして新しい経験となり、楽しかったです。

 

 では皆さま、御機嫌よう。