2023_02_20
別になにか書きたいことがあるわけでもないが、1月末の金沢の贅沢三昧の食事以降、私の体と心の状態が通常ではなくなり、狂い始めた。
それは金沢からの帰りの汽車の中から始まった。私は極度の疲労に襲われ、新大阪までのサンダーバードの車中、小倉までの新幹線の車中、それに小倉からの特急ソニックの中まで、眠り続けたのである。
まるで眠りの森の眠り姫のように、まるで魔女の呪文を架けられた姫のように眠り続けた。
別府駅ではバスに乗るのもシンドクて、タクシーに乗り、運賃僅か500円の距離なのに1000円を支払い、もつれる足をなだめながら自室に転がり込んだ。
だれかが魔法をかけたに違いない。この眠さはなんだ、と首をかしげながら、ベッドの中に倒れ込んだ。
私はそれから数日のことを覚えていない。ひたすら眠り、眠りこけた。風邪だろうと思ったが、床に転げ落ちると、足の筋肉が弱り切っていて、立てない。それでも冷凍庫に保存してあった冷凍食品を少しづつ食べて、体力の温存を図った。
頭の調子もおかしくなった。頭が正常に働かないのである。PCを開けても、YouTubeはなんとか見て理解できるとはいうものの、文章の構成力は完全に失われていて、ピンとくる鋭さが失われている。
だから、だらだらと一週間を過ごし、それでも頭のピントが合わないので、二週間かけて、ようやく知力を取り戻した。
このスポーツカーが誰のものなのかも分からなくなっていた。
まあ、最低の経験だったね。芝居の湯へは普通に出かけていってるのだが、顔見知りの人たちにも挨拶できないほど、落ちぶれた。
これは誰かの呪いなのだろうか?
はたまた、馬に乗って三途の川を渡る自信がなくなった、というのか。
私は、私の「死」が近づいたことを知った。その時は、すべてがもたもたになるのだ。脈絡がとれず、方向感覚も失せて、磁石の針が回りだす。
困ったものだ。
だが、私は毎日相変わらず、9時前にはバスに乗って別府の街の探検旅行に乗り出す。この「探検」という要素がなくなったら、私は幽囚の世界へ踏み出すことになるのだろう。それまでは歯を食いしばって頑張ろう。
まさか死ぬ前にこんな過酷なレースに乗り出す、とは思わなかったですよ。
では皆さまには御機嫌よう。