2020/12/22
今朝も快晴、それも大快晴。今年七月の豪雨続きで雨は降り尽くしたから、それ以降は毎日快晴なのだろう。
そこで朝9時半の湯布院行バスに乗り、板の平向井病院前でバスを降りた。私が高台にある観海寺通りを通り抜けるときにいつも使う道だ。観海寺通りは道が高所にあって、歩くと気持ちが晴れて楽しいからだ。
私はいつもの通り、曲がり坂の突き当りから細道に入って、気持ちを整え、白糸の滝温泉で右に折れ、旧道に入る。別府の街は、それこそ江戸時代から使われてきた旧道がいまだに存在する。巾1mほどの獣道に似た道で、余所者には「道」とは見えないような野道で舗装もされていない。
白糸の滝温泉で右に折れると、正面の崖にかかる滝が見える。白糸の滝だ。
撮影:2020年4月16日
この別府では唯一といえるスケールの大きい滝だ。この滝を右に見て、細い野道②の上り坂にはいるのだが、今日の私はいつもと違って、途中から右に折れて、①の急坂を登った。道の佇まいから見て、どうやらこれが昔からの本道に見えたからだ。
道はかなり険しく、どんどんと白糸の滝に近づいていく。
いよいよ白糸の滝の上部が見えてきた。近くの岩に仏像が祀られている。
間違いない。私はここで白糸の滝の最上部に近づいたのだ。道を更に登ると滝の天辺に到達するのだが、滝の本流は隠れていて、よくわからない。でもこの道が昔から使われてきた御堂原への旧道であることは間違いない。
ここでまたひとつ別府の旧道を発見した。わたしは喜んで狭い野道を歩く。
どうやらこの御堂原(「みどうばる」と読む)が観海寺の高台に続く高地で、しかも観海寺通りの行き止まりらしい。
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これでわかった。扇山町あたりから眺めときに見える、素敵な外観の建物がこのテラス御堂原だ。
素晴らしい景観だ。なんというか天井を突き抜けたような爽快感がある。天国に来た、天国に到着した、という「ふっきれ感」がある。遠くから見て、これはマンションかと思っていたのだが、マンションではなくて、これはホテルなのだ。テラス御堂原という。
内部の写真は次。
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素晴らしい眺望だ。部屋の右、窓に面して半露天風呂が設えてありますね。お風呂からもこの素敵な眺望が楽しめるわけだ。
最近このテラス御堂原に続いて、ガレリア御堂原という巨大な建物(これもじつはホテルなのだが)が完成して、絶眺望の建物がもう一つ完成した。温泉は崖の下にある堀田温泉から汲み上げているようだ。
だから道路から見るとこんな具合に見える。右側の新棟は12月18日に完成したばかりのホヤホヤ。
なんて素敵な立地でしょうね。こういうのが新しい別府なのでしょうね。先日訪ねたANAインターコンチネンタルといい、このガレリア御堂原といい、高地にのみ存在する吹っ切れ感がありますね。これでは別府駅近くの旧温泉地が薄汚れてみえてしまいます。
昔の旧道②は、このガレリアの建物の向こう側の崖を回って、この建物のすぐ横に出てくるのです。
旧道②の出口ですが、一般民家の玄関にもなっていますから、本道からは見分けがつきません。
因みに、御堂原を崖下の堀田温泉から見上げると上の写真のように見えます。(撮影:2021/02/09)右下が堀田温泉です。
今日は大きな発見があったと喜んで、いつものように観海寺通りを降りていったら、海雲寺の手前の交差点で、また発見をした。
観海寺の現在の本道は画面の右側なのですが、中央に立つ碑は、どなたの顕彰碑なのか読めませんが、正面は左に向いているのです。つまり、旧道は画面の左側の細道なのです。
今日は左側の道に入ってみました。
案の定旧道です。
海雲寺の横を通り過ぎると、石仏がありました。
吉祥庵と書いてあります。遠くに別府湾が見えます。
中央の石仏ですが、なにか味わいがありますね。誰かが花を手向けてくださいました。
やはりここが昔からの旧道なのでしょう。
この道をどんどん下ると、杉乃井パレスの新館が建設中なのですが、その下道に入って行きます。細い道は舗装されているけれどどんどん細くなっていって、いまにも消え入りそうですが、崖を下り切ると、出ましたよ。霊泉寺です。
この道が昔、鶴見地獄から観海寺へ登る旧道だったのでしょう。いまではGoogle Mapからも消え去っています。ひょっとすると、昔(西暦1600年)石垣原合戦のとき、大友義統が石垣原から本陣へ登った旧道なのかもしれません。
画像:GoogleMap, 2020