2020/08/27
写真:レストランQueue
このあたりは標高が1580m程度と高く、この頃の気温は14℃程度で寒い。秋の気配で、現れた赤とんぼなのだが寒すぎて動けない。近接撮影してもフリーズしていて飛び立たない。朝日が当たれば朝日からエネルギーを貰って飛び立てるのだが、まだ朝日はあたっていない。だが、このあたりでは既に秋が到来していることは明白だ。
散歩道の途中の一軒の山荘の郵便受けの前にこの琺瑯絵画が立てかけてあった。絵葉書サイズより一回り小さい。左上にChileと書いてあるから、どうやらこの山荘の主はチリへ出掛けてチリのどこかでこの絵画を買求めたものと思われる。
私も昔チリへ旅行したことがある。チリの南端にプンタアレナスという小さな町があって、そこに1988年、メタノールの工場が出来たから、その工場を見に行ったのである。
成田から24時間かけてチリの首都サンティアゴに飛び、そこで一泊して、翌朝プンタアレナス行の飛行機に乗った。非常にエキサイティングなフライトであった。第一にサンティアゴ空港は南米最高峰のアコンカグア(標高6,960.8 m)という超高山に隣接していて、その威容に驚かされたし、
画像:アコンカグア
次に驚かされたのは、サンチャゴからプンタアレナスまでの細長い陸地ベルト上に数珠繋ぎに連なる多数の火山群であった。プジェウエ=コルドン・カウジェ火山群はは2011年に大噴火を起こしたが、サンティアゴからプジェウエ山に至るまでの海岸線に延々と連なる富士山の姿をした火山の連なりは圧巻であった。
火山の話はさて置くとして、世界で最南端に位置するメタネックスのプラントは、対岸のフエゴ島から天然ガスをパイプラインでひきこみ、これを変性して粗製メタノールとし、これを背の高い蒸留塔で蒸留してメタノールとするものであるが、この地域は一週間の内五日間は台風並みの暴風が吹き荒れる地域であるから、背の高い蒸留塔は暴風で吹き倒される恐れがある。そこで初めから蒸留塔を二つに折って建築した世にも珍しいメタノールプラントなのである。
上の写真で、桟橋が突き出している海面が本土とフエゴ島を隔てるマゼラン海峡です。西暦1520年にポルトガル人のマゼランがスペイン艦隊を率いて通過して以来、ここはマゼラン海峡と呼ばれるようになったのです。
遠方に見える海は太平洋です。
画像:
私は別にこの案件を実取引に結び付けたわけではないのですが、商売人はこのようにして、あらゆる案件につき、世界いたるところまで旅行して、詳しく調べ上げるのです。「商売は現地調査から」が鉄則です。
こういうわけで私は、チリの地理に詳しくなりました。別におやじギャグではないのですが。