2017/04/12
大宰府から博多駅に帰って、次に向かったのは宗像大社。まさか一か月後に沖津宮が世界文化遺産に指定されるなんて知らなかったのですが、この神社は実に見所が多かった。
神勅
汝三神(いましみはしらのかみ) 宜しく道中(みちのなか)に降居(くだりま)して
天孫(あめみま)を助け奉りて 天孫に祭(いつ)かれよ
「古事記」(和銅5年(712)成立)、「日本書紀」(養老4年(720)成立)に記述されている宗像三女神は、天照大神(あまてらすおおみかみ)と素戔鳴尊(すさのおのみこと)との間に生まれ、天照大神より神勅(命令)を受けた後、沖津宮(おきつぐう)(沖ノ島・田心姫神(たごりひめのかみ))、中津宮(なかつぐう)(大島・湍津姫神(たぎつひめのかみ))・辺津宮(へつぐう)(本土・市杵島姫神(いちきしまひめのかみ))に鎮まられたとある。この神勅は、大陸との要所である九州北辺に降臨し、歴代の天皇を守護し歴代の天皇より篤いお祀りを受けよとの意であり、皇室・国家の守護が宗像大社鎮座の根幹であることが読み取れる。
宗像大社は、朝鮮半島や大陸へと繋がる玄界灘に鎮座し、古代より神勅が示す通り国家による国家鎮護の祭祀が行われた。
〈神宝館内掲示から引用〉
辺津宮
沖ノ島で発掘された祭祀道具8万点を収めた神宝館。そのすべてが国宝であるというから驚く。
画像:宗像大社神宝館絵葉書より
7号遣跡出土 岩陰祭祀
5~6世紀
宗像大社
荘厳な輝きを放つ純金製の指輪、内径1.8cmとかなり大きい。正面中央を菱形状にした金板を曲げて、反対側で接合して環状に仕上げている。菱形部分の中心には4弁の花文があしらわれ、花弁の間には円文を表し、円文は側面にも連なっている、花文と円文、指輪の上下にある蛇腹状に刻まれた縁金は、蝋付けという高度な接合技術で貼りつけている、1500年前の黄金の輝きが今によみがえる一品。
高宮祭場
「宗像三女神降臨の地」として伝わる“高宮祭場”は、間近で直接見ることが出来る全国でも数少ない古代祭場の一つです。
奈良時代以前は社殿が無く、神奈備(かんなび)としての杜や山や島などを聖なる所と祀られていました。 いにしえの時を今に伝える高宮祭場は、今日では数少ない神籬(ひもろぎ)の古代祭場であり、古神道の聖地として多くの崇敬を集めています。
引用:
自分の心の奥底まで洗われるような厳粛な雰囲気を感じました。
タクシーで東郷駅にもどり、普通電車で博多駅に帰りました。そのあとはまた、ホテルで熟睡して疲れをとりました。高齢者にはこの程度のスケジュールで十分なのです。