銚子・成田

 2018/06/05

 

 

 どうも、やっぱり、東京は肌が合わんな、と言い出したのが、東京に引っ越したばかりの私である。その理由は、東京の人口稠密さであり、自然の欠如である。緑が少なく散歩しても楽しくないことだ、と生意気なことを言ったことにある。それに暑いしな。

 

 では東京の近くに、家を借りて住んだらどうかしら、と妻が言い、三島以西の東海道沿線を調べることにした。清水、焼津、浜松などである。条件は海に面しており、魚が旨く、緑が多いことである。

 

         画像:河岸公園に残る旧渡船場跡。奥に見える橋が銚子大橋。手前が旧渡船場の浮き桟橋。

 

 

 そう言っていたら、息子が「銚子はどうかなあ」、銚子は夏の暑さが東京と比べて、5℃ほど低く、冬も東京より寒くない。つまり、老人向きで、魚も旨い、と言う。東京人の目から見ると、「千葉」という悪いイメージが付きまとうが、気候の面からすると、東京を抜け出すにはもっとも適している、というのである。

 

 

 

 そこで、ものは試し、行ってみることにした。

 

 画像:GoogleMap, 2018

 

 

 朝7時半、東京駅発銚子行特急「しおさい1号」という電車があることを見つけ、これに乗った。総武本線で南回りである。帰りは成田線で利根川沿いの北回り、滑川(なめがわ)で利根川を離れ、南行して成田にいたるコースで旅をした。

 

今現在、本当は、香取から北上する鹿島線に乗って潮来の水郷潮来あやめ園であやめを楽しみ、さらに北上して鹿島神宮を参拝するのが旅行通の楽しみ方なのであろうが、これは将来の楽しみにとっておくこととした。

 

「しおさい1号」の車中で割れ鐘のような大声で電話をかけている黒んぼの大男を見つけ、あまりにうるさいのでデッキに出て電話するように注意したら、逆に絡まれた。「あんた、バカじゃないの?」云々。

 

のっぽの真っ黒のやくざ風の男で、銚子駅に到着してからも絡まれた。あとで銚子駅員が教えてくれたのだが、彼は銚子にある千葉科学大学の教授のひとりであることが判明した。この大学も今治で有名になっている加計学園が母体だ。こういう輩が一人いると、「銚子=やくざ」というイメージが固定してしまう。

 

画像:銚子市中心部 銚子市観光マップ「新銚子散歩」より

 

銚子駅に降り立って北方向をながめると、とても広い街路が利根川まで続いている。

 

 

 

 河岸公園まで行くと、銚子一帯に多い風車の一つが右手に見え、左側に巨大な銚子大橋が見える。この橋が千葉県と茨城県を結んでいる。利根川がいかに巨大な川であるか、ここに佇むと実感できる。

 

 

 

 ここで右に折れて、利根川沿いに歩く。すぐさま銚子漁港がはじまり、多数の漁船が係留されている。まぐろが多く水揚げされているらしい。

 

 

  新興橋を過ぎたところ、右手の小公園に立像がある。

 

 

 江戸時代初頭、下総国銚子(現:千葉県銚子市)で正保2年(1645年)、濱口儀兵衛が醤油醸造業者・廣屋儀兵衛商店(現在のヤマサ醤油)を創業したのが事の始まりなのだが、この銅像は、1918年(大正7年)、銚子醤油株式会社を設立したヒゲタ醤油(株)の初代社長初代濱口吉兵衛の銅像である。濱口吉兵衛は銚子・犬吠を結ぶ「銚子遊覧鉄道株式会社」を設立した。 (参考:http://www.inubou.co.jp/blog/index.php?d=20120123

 

1937(昭和12)「濱口吉兵衛」の「功績」を讃え、「新生河岸公園」に「銅像」が建立されましたが、1943(昭和18)、戦時供出され、その後、1955(昭和30)「濱口吉兵衛」の「銅像」は再建された。

 

 

 

 第一卸売市場の巨大な建物の手前で右に折れ、銚子電気鉄道線の軌道に沿って、東方に歩くと、観音駅に到着する。「観音」とは近くにある「飯沼観音」円福寺を指している。

 

画像:飯沼観音

 

 

 私は観音駅まで歩いてへとへとになり、次の電車の時間を聞いたら40分後だと聞いて、あきらめた。駅員さんにお願いしてタクシーを呼び、あとはタクシーを利用しての犬吠・銚子観光を行った。

 

   画像:観音駅

 

写真:犬吠埼灯台1874(明治7年)に完成。

 

 

 

 私はホームページ「カイゼル・システムの中で次のように説明しましたが、

  

 

 文明開化の第一号は実は「灯台の建設」だったのですが、「灯台」は航海上重要な施設だったにもかかわらず、一般大衆の耳目に訴えることが少なかった・・・

 

 

灯台は日本の文明開化の先駆けだったのです。

 

 

 

 なお、犬吠埼灯台から銚子への旅報告書は、次が詳しく、参考になる。

 

     犬吠から銚子への写真集:https://4travel.jp/travelogue/10898699

 

 

 

 

 

 で最後に、冬期間滞在地候補としての銚子に関する私の印象なのだが、あまり芳しくなかった。与太者の大学教授の印象がひどく悪かったし、私の心に引っかかるところが少なかった。だから、どうするかは清水、焼津、浜松などを調べてから、判断することとしましょう。