臼杵を観光する (2)

2020/03/06

 

 画像:岩戸の景観

 

(大分県の)大野川と奥岳川の合流点にそびえる絶壁を「岩戸の景観」と呼んでいます。崖の下半分は阿蘇火山の3回目の巨大噴火の火砕流、上半分が4回目の巨大噴火による火砕流でできています。崖のまん中にJR豊肥本線のトンネルが掘られており、鉄道写真の絶好の撮影ポイントとなっています。

 

 

 臼杵大仏の原材料はなにか? なぜそこに存在したのか?

 

 

 

この単純な疑問にさまざまな人が回答を出しています。阿蘇溶結凝灰岩だというのです。そこでこの阿蘇溶結凝灰岩を調べておきます。

 

 

 

 阿蘇山の誕生に係る大爆発は35万年前から9万年前までに4回あり、なかでも9万年まえの爆発が最大だったらしいのですが、莫大な量の噴出物を出し、3万年ほど前に大陥没を起こしてカルデラが形成されました。(解説

 

 

 

もともとは今の富士山ほどの山容だったものが外輪山を残し、吹き飛んだというのです。

 

 

 

地理院が作った傾斜量図判読例をお見せします。

 

 画像阿蘇山、くじゅう連山付近

 

  阿蘇山の外輪山、中央火口丘(阿蘇五岳)がくっきり見ます。

  阿蘇山の北東には、くじゅう連山の溶岩流  地形が見えます。

 

 

 爆発の際に巨大な原子雲が吹き上がり、周辺に火砕流が流れたその跡が現在の地形に残っているというのです。

 

 

 

 爆発の際のシナリオが次のように再現されています。

 

 画像「爆発の威力」

 

 

巨大カルデラ噴火を起こした火山は(日本に)7つあるが、そのうちの4つが九州に集中している。その中でも最大のものが、東西18キロ、南北25キロの阿蘇カルデラである。そう、先日の熊本地震で活発化が懸念される、あの阿蘇山だ。もし、阿蘇カルデラで巨大カルデラ噴火が起こったら、日本はどうなるのか。

 

まず、最初のプリニー式噴火によって、中部九州では場所によっては数メートルもの軽石が降り積もって壊滅的な状況に陥る。そしてクライマックス噴火が始まると、巨大な噴煙柱が崩落して火砕流が発生する。軽石と火山灰、それに火山ガスや空気が渾然一体流れる火砕流は、キノコ雲状に立ち上がった灰神楽の中心から、全方位へと広がって行く。数百℃以上の高温の火砕流はすべてのものを飲み込み焼き尽してしまう。そして発生後2時間程度で700万人の人々が暮らす領域を覆い尽くす。

 

 

 

 まるで広島の原子爆弾の数千倍の規模の核爆弾が投下されたような有様だったようです。

 

 画像

 

 

そして溶結凝灰岩とは、

 

 

 

火山灰,軽石岩滓などが,まだ高温の状態で堆積し,自重のために圧縮されて気泡を失い,破片同士が溶結し合った凝灰岩。日本では阿蘇火山などで典型的なものが発達している。加工しやすいので石材として利用される。(解説) 高温の火山灰が大量に堆積し、その重さと高温のために圧縮されて粒子の一部が溶けてくっつき合い、溶岩状になった岩石柱状節理の発達したものが北海道の層雲峡、宮崎県の高千穂峡などにみられる。(解説

 

 

 

 そういえば、この近辺には阿蘇溶結凝灰岩を利用した街があちこちにある。豊後竹田市のトンネルもそうだし、お隣の津久見市のセメント原石の採掘もそうだ。

 

 引用:阿蘇山とは

 画像:ホキ石仏第一群第三龕 伝勢至菩薩立像

 

 そこで、

 

 

 

 臼杵石仏は、凝灰岩の岩壁に刻まれた磨崖仏群です。

 (臼杵石仏事務所作成「国宝 臼杵石仏」パンフレット)

 

 

 

という表現になるのです。

 

 上のホキ石仏第一群第三龕 伝勢至菩薩立像に関する説明は前述の通りです。