酒田から鳥海山2

2022/09/26

画像:象潟で芭蕉の俤を偲ぶ: 紫の風に誘われて (cocolog-nifty.com)  象潟郷土資料館

 元禄2年(1689)6月16日(陽暦8月1日)、芭蕉主従は旅人宿の能登屋を訪ねて休み、夕方に象潟橋(欄干橋)から雨の島々の景色を眺めています。18日は快晴で、朝早く象潟橋まで行き、鳥海山の晴嵐を眺め、朝食後に潮越を発ちました。

 芭蕉はこの3日間の象潟滞在で3句を詠んでいます。

象潟や雨や西施がねぶの花

ゆふ晴や桜に涼む波の華

(こし)(たけ)や鶴脛ぬれて海涼し

 

                 引用は象潟で芭蕉の俤を偲ぶ: 紫の風に誘われて (cocolog-nifty.com)

 

 私たちは道の駅象潟で昼食を取りました。

 

 

 窓から見えるのは西施 - Wikipediaの像。もちろん芭蕉の句に寄せたものです。

 

 

 昼食の到来をまっている私。

 

 

 海鮮丼でしたが、この丼は想像以上に美味でした。見た目も素敵でしょう。私はそれに螺貝の煮物を注文し、これも美味しくいただきました。このレストランはお勧めです。

 

 

 なんとこの道の駅には温泉もついているのですね。

 

 

 無料の足湯も付いていました。

 

 

 それから私たちはバスで矢島へ向かいました。鳥海さんろく線というらしいです。

 

 

 この矢島駅には売店に和服姿のまつ子さんがおられるのです。プラットフォームまで見送ってくださって、有難いことです。

 

 

 そういうことで由利高原鉄道の鳥海山ろく線全長23kmを乗ってきました。前は国鉄矢島線だったのだそうです。車内は車掌さんが土産物売りに大わらわで、乗客全てがカモになった感じでした。

 

 

 社内の料金掲示板です。終点は羽後本庄と書いてあります。羽後の国の本庄という意味です。クラシックな名前で私は満足いたしました。ちなみに国鉄の駅は由利本庄という名前なのです。

 

由利本荘市中心部(旧・本荘市)は、出羽国が設置された8世紀から、交通の要衝飽海郡由理郷として栄え、子吉川河口付近には、出羽国府の出先機関である「由理柵(ゆりのさく・ゆりのき)」が置かれた。

源頼朝による奥州合戦ののちは由利氏が本領を安堵されていた。

(引用:由利本荘市 - Wikipedia

 

 

 これで由利の意味もわかりました。了解。

 

 

 上の栞は切符(硬券)を買ったときに頂いたのですが、バックの鳥海山も素敵でしょう。よくぞこんなに田舎へ連れてきてくださった、とクラブツーリズムに感謝したい気持ちでいっぱいです。

 

 

 車内から振り返って撮った鳥海山です。鳥海山は天気が不安定で、雲のない写真をとるのが難しいそうです。アイ・アム・ラッキー!

 

 

 ついでながら、由利本庄市には法体の滝というのがあるそうです。

 

画像:大川清一写真集「鳥海山2」絵葉書より

 

 

法体の滝は、秋田県由利本荘市に位置する滝。子吉川の上流である赤沢川にある。法体の滝と甌穴は、19601217日に県の名勝および天然記念物の第1号に指定されている。日本の滝百選の一つ。 ウィキペディア

 

 

 

私たちはここからまたバスに乗り、酒田の街に引き返し、山居倉庫を見学しました。

 

山居倉庫 - Wikipediaとは酒田米穀取引所の付属倉庫として旧庄内藩酒井家により当時の鵜渡川原村に建設され、111日開業。管理・運営も酒井家が行った。

 

 酒田市で有名なのは本間家(本間氏 - Wikipediaのうちの酒田本間家)なのですが、

 

本間氏(ほんまし)は佐渡本間氏の分家で、山形県酒田市を中心に農地解放による解体まで日本最大の地主と称された大庄屋[1]豪商[注釈 1]。その財力を基礎に、「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」と謳われるほどの栄華を誇った。

 

 というわけで、山居倉庫の持ち主ではなかったのです。ただ本間氏 - Wikipediaにも書かれている通り、「北前船交易の隆盛もあり三井家住友家に劣らぬ大商家となった。」

 

さらには

 

3代当主である本間光丘は、宝暦の大飢饉で多くの農民が餓死したことを教訓に、豊作の際には米を庄内藩の米倉に貯蔵し、飢饉の際には米を放出する「八ヵ年計画による備蓄計画」を起案し藩に提出。この計画は昭和20年頃まで維持された[3]

 

 という善政を敷いた。

 

 動画:

 酒田散歩 Walk Around Sakata No.1「本間家旧本邸」 - YouTube

 【てくてくさんぽ】酒田 豪商の邸宅、北前船で栄えた港町〈本間美術館、山居倉庫、おくりびと〉Walk around Sakata,YAMAGATA JAPAN - Bing video

 

 

 山居倉庫とそれに接する欅並木のたたずまいは最高でした。雰囲気がいいのです。心が落ち着くのです。

 

 

 外部を歩き終わって、山居倉庫の内部に入りました。大部分はこの地方の産品の紹介なのですが、

 

 

 なんと懐かしい「おしん - Wikipedia」が出てきました。丁稚に出る幼いおしんが、最上川を筏で下るシーンです。昔々、といっても私が40歳のころ、1983年の頃の話です。デュッセルドルフから帰ったばかりの頃の出来事でした。懐かしい。

 

 

 夕食はわざわざバスに乗って鶴岡まででかけ、街の中心部を抜けて、結婚式場グランド エル・サンへ出向き、そこでフランス料理を食べました。

 

 私は極度に疲れていましたので、平生は呑まないビールの中瓶を一本呑み、へべれけに酔って、またバスで帰ってきました。完全にノックアウト状態でした。

 

 では皆さま、御機嫌よう。