2023/11/21
朝7時、ホテルを出て道後温泉に向かう。この写真は三越デパート前から東方向を望んでもの。手前に見えている停留所は大街道(おおかいどう)。
面白いねえ。電車の運転手が停留所で運転席を離れて、切符の回収に出てくるのだ。だから、乗客は常に前降りが原則だ。車掌が居ないんだから、運転手が全部ひとりで仕切るのだ。
電車は終点の道後温泉駅に到着した。
道後温泉駅前の風景。
駅前に飾られている「坊ちゃん列車」。なんともレトロ。この列車が一日三回、街中を走るのだ。さすがに石炭は使っていない。石油で湯を沸かしている。
道後温泉駅。これもレトロだね。
さすが伊予鉄だけあって、撮影場所を心得られておられる。背後に松山城を取り込んで、これが最高の坊ちゃん列車の宣伝画像だ。
今や私たちには馴染の薄くなった正岡子規ですが、奥まったところに子規像があります。漱石が松山中学で教鞭を摂っていた頃、松山で東京大學出身の人は正岡子規しかいなかったのでしょう。だから二人は仲良くしていたのです。
時計台の横から道後商店街が始まります。早朝ですから、閑散としています。この商店街を2ブロック歩くと、
椿の湯に至ります。道後温泉本館が観光客ですし詰めとなったので、松山市が市民のために建てた温泉風呂屋です。こちらのほうが人が少ないからゆったりと温泉気分を味わえます。
入浴客が少ないから、漱石時代の温泉気分を味わえます。惜しいことに深さがもっとあったらなあ。
温泉釜には子規の言葉が彫られています。
椿の湯の裏手に飛鳥の湯というもう一軒の湯屋があります。聖徳太子の飛鳥時代から名前を取ったのでしょう。
湯屋を出たあと、私は商店街を歩き、修理中の道後温泉本館に出た。
皇族用の入り口に感嘆し、
道後温泉駅前に戻ってきました。
プラットホームで漫然と電車を待ちます。この気だるい雰囲気が好きです。皆が皆隙だらけです。ぼんやり、漫然、隙だらけ、こういう光景は田舎にしか見られない風景です。漱石もきっとこのような隙だらけの松山を愛したのでしょう。こういう雰囲気を求めて私は松山に来たのです。松山に来た甲斐がありました。