フルボカー・ナト・ヴルタヴォウ

2008/06/19(2021/10/30)

画像:絵葉書から

 

 Karlsteinの次に訪ねたのはHulbokaだ。正式名称はHluboká nad Vltavou。チェコ語の文法はまったく知らないけれど、Vltava川沿いのHlubokáという意味合いのようだ。ドイツ語でHluboká am Vltavouというところだ。

 

 事実、Hulboka城のすぐ脇をVltava川が流れている。Vltava(ヴルタヴァ)川というのは、ドイツ語でモルダウ(Moldau)。スメタナの連作交響詩「わが祖国」第2曲のドイツ語名モルダウ(ホ短調。1874年作曲)はよく知られている曲ですね。

 

 調べたら、モルダウはプラハを含むボヘミア盆地一帯の水流を集め、プラハの北でエルベ川に合流し、ハンブルグを経由して北海に抜けているのだ。

 

 

 

ヴルタヴァ川(モルダウ川)

画像:ヴルタヴァ川 - Wikipedia 青い部分がボヘミア盆地。

 

画像:GoogleMap,2021 

 

画像:フルボカ城入場券の裏面の説明文。

 

 

翻訳:この城は浪漫ゴチック様式で建てられた。設計者はウイーン人のフランツ・ビアで、建築時期は1841-1871、つまり明治4年までの30年間。明治4年とは、欧州では普仏戦争が終了し、パリがプロシャに占領された年。もともとこの土地には13世紀に造られた古城があったのだけれど、これがルネサンス様式、次いでバロック様式に改築された。内部は近代ルネサンス様式で、壮大な装飾が施され、17世紀の素晴らしいフランドル・タペストリで飾られている。(注:bunmeikaika (lcv.ne.jp)を参照せよ)

 

 フルボカの街へ入ると、まず目に入ったのは、

 

 

 あれあれ、またもやトゥルデルニーク(TRDELNÍK)ではないか。あれはカールシュタインの郷土菓子ではなかったのか。さすれば、トゥルデルニークはチェコの民族菓子ということになるのか。

 

 

 菓子はさておいて、私はフルボカ城に駆けつけた。この城がチェコではもっとも美しい城という評判だったからだ。

 

 

 バラが城前の庭園に咲き乱れている。

 

 

 いや、なんというか、バラに埋もれたような城。バラの匂いで満たされた城。まったく夢心地にさせてくれる城。こんなお城は世界に二つとないね。

 

 

 城の中庭は鹿の角装飾で優雅に飾られている。美しい。

 

 

 一通り城の見物を終わって出てくる出口の温室風のガラス室が、また素晴らしい。

 

 

 外にでると、今度は銅像で飾られたバラの花壇。最後まで手を抜かない徹底ぶり。これには私も、感嘆の声を上げざるをえませんでした。