David Baldacci

 

2018/04/21

 

画像

 

 David Baldacciというアメリカ人の書いた小説”The Fix”は、他の作者の英語に比べてとてもやさしく読みやすい。標準的な英語でトリッキーなところがないのが嬉しい。

 

 ついつい引き込まれて読み進んでみると、この作者は執筆以前に筋立てをしっかり作っていて、場当たり的な筋書きがない。松本清張の推理小説を読んでいるような気楽さがある。このイージーさを好む人もおれば、嫌いな人もいるだろう。

 

 

 

 P82Harper Brownという女性が出てくる。

 

 Deckerという名前の主人公が、「あなたはどこに勤めているの?」と聞くと、彼女は「DIA」と答える。Defense Intelligence Agencyアメリカ国防情報局)という諜報機関だ。聞きなれない機関だが、Deckerの説明によれば、military’s CIAだという。つまり、アメリカには諜報機関はCIAFBIとならんでもう一つ諜報機関があり、DIAがその三つ目の機関だという。

 

 我々にとっては聞きなれない名称だ。、滅多に小説の類には出てこない。

 

画像アメリカ国防情報局

 

 どこにあるかというと、

 

画像:GoogleMap, 2018

 

ワシントンDCの南側、ポトマック川に沿って紫色で塗られている地域には、北から順番に

 

               Joint Base Anacostia-Bolling (共同基地 アナコスティア-ボリング)

               Bolling Air Force Base (ボリング空軍基地)

               Anacostia Naval Annex Bellevue (アナコスティア海軍基地-付属基地ベルビュー)

 

が並んでいて、アメリカ国防情報局は上の地図の赤丸地点にある。

 

 

画像:GoogleMap, 2018

 

 小説”The Fix”に出てくるHarper Brownに関する記述を詳しく読んでみても、DIAの具体的な活動内容は出てこない。軍隊内の諜報活動であるから、見方によってはCIAよりも活動範囲は広いのかもしれない。また、軍事機密を扱う場所であるから、機密度はFBICIAよりもきついかもしれない。

 

 DIAのなかにDefence Clandestine Serviceというのがあって、軍人でなくても応募できるから、アメリカ人ならば一度応募して、諜報活動なるものを経験するのがよいかもしれない。