北中和佳子

2022/09/07

 先日、私の姉の富貴子が長い延命生活の末に亡くなったので、石川県の小松まで葬式に行ってきた。茅野からはJRを使って、松本、長野で乗り換えて金沢まで6時間もの長旅だった。

 

 

 兄弟姉妹が皆亡くなったり、病気だったりしたから、兄弟姉妹の中で出席したのは、私と妹の北中和佳子だけだった。

 

 

 今から10年前に突然この妹が私にイギリスに連れて行ってくれ、と頼んできた。

 

妹は大学を卒業するなり、私と高校同期の北中〇良と結婚して、味噌屋の嬶になり、その後ひたすら金沢で家業に従事していたから、外国にも無縁で、69歳になってはじめて日本女子大学英文科の学歴に里帰りしたくなったのである。

 

 

 彼女の希望はロンドンとコッツウオルドであったが、それにスイスを加えて、515日から25日まで11日間の欧州旅行UKSwiss (lcv.ne.jp)を行うことにした。

 

ロンドン

 

 ロンドンでは、ロイヤル・ガーデン・ホテルという高級ホテルにとまり、

 

 

ケンジントン・ガーデンで朝の散歩をし、

 

 

ウインザー城も見たが、彼女の希望は「一人でロンドンの街中をブラブラしたい」ということだったから、私はあまり干渉しないことにした。

 

 

スイスはすべての訪問地が絶景でした。

 

エッシネン湖

 

グリンデルヴァルト。5月でしたから、アスパラガスを賞味したりしました。

 

コッツウォルズ

 

 日本に帰ってから、一冊の写真帳を作ってあげました。

 

 こんなに若くて美しかった妹の和佳子が、夫君の急逝のあと、富貴子姉の葬式のときにはとても窶れ果てて、娘さんの優子さんに付き添われ、見る影もないような有様でした。

 

 

 

 中央が和佳子さんの娘の優子さん。1988年頃の写真だと思う。ユングフラウ・ヨッホにて。

 

優子さんはその後結婚して、しかもご長男は就職されて、現在は横浜に住んでおられる。

 

 

 数日前のことだが、私は和佳子さんに電話をして次のとおり、話をした。

 

1.      夫に先立たれて一人ぼっちになったのであるから、そろそろ生き末のことを考えたほうがいい。

 

2.      息子の妻、すなわち「嫁」とは性格があわず、平生行き来していないのだから、とりあえず今は「息子夫婦」のことはすべて忘れる。

 

3.      和佳子さんは金沢に不動産などももってお金持ちなのだが、かといって齢とってから、一人きりになって話す相手もいない、というのは不都合である。

 

4.      仲がよくてうまが合う横浜の優子さんの家の近くに引っ越す。マンション、アパート、あるいは部屋借りをして住む。こうして話し相手を確保する。安心できる人が身の周りに居る状態を確保する。

 

5.      金沢から引っ越しする際に、現金だけは、すべて持っていく。お金持ちの息子夫婦のことは考えなくて良い。持ち出した現金は自分で管理してもよいし、優子さんに預かってもらってもよい。

 

6.      老人ホームは避けたほうが良い。優子さんに身の回りをみてもらったほうが、安心できる。

 

 

 こうして身も心も安心できる状態を構築せよ。

 

 

 彼女は答えて曰く。「もっともです。が、実行は〇良さんの三回忌が終わってからになります」だって。さすが大家の奥様は世間の常識をしっかり認識されておられます。

 

 では皆さま、御機嫌よう。

 

 

 

 

 

 

 

 

PS

 私は昔、幼少のころから、坐禅をしていて(6年間も!)、山の中の一人暮らしには慣れっこになっている、何日間も口をきかなくても困ることはない。むしろ、寡黙に籠るほうが性に合っている。だが、都会に住んでいる人にとっては、とくに年寄りには、話し合う人がすぐ近くにいるほうが安心だ。この場合、母と娘の組み合わせのほうがうまくいく。

 

 

 私の山のなかでの唯一の娯楽は、地元のケーブル局LCVの流すケーブルテレビだ。このLCV番組のなかで特にお気に入りはアメリカのCBSが作った海外ドラマ「NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班 - Wikipedia」だ。実によくできた番組で、毎日テレビ鑑賞しては感心している。筋立てが緻密だから、多分ユダヤ人が作った番組だろうと思っている。

 

 このNCISを観ていて、気が付くことだが、父親と息子は齢を重ねるごとに関係は険悪になるようだ。ティモシー・ファラガット・“ティム”・マクギーの父親は海軍大将だが、二人はまったく折り合いが悪い。口もききたくない間柄のようだ。

 

 イスラエル人のジヴァ・ダヴィードは、女だが、父親でモサド局長のイーライ・ダヴィードを忌み嫌っている。

 

 アンソニー・“トニー”・ディノッゾの父親は、いかさま師で女たらし。ことあるごとに衝突を繰り返す。

 

 父親との関係がうまくいっていたのは、リロイ・ジェスロ・ギブスだけだったようにみえる。

 

 

 

 

 私の家でも私と息子は関係が悪い。娘とはなんとかやっている。齢をとったらどうするかって? それはそのときに考えよう。